とんぎり山古墳

さて、「とんぎり山古墳」という、
名前からしてマイナー感炸裂のB級古墳を
紹介いたしましょう。

赤磐市徳富、吉井川の西岸、県道96号線と山陽
自動車道が交わる地点から600mほど北上すると、
道路東側に徳富の公会堂があり、そこから道を挟んで
西の山腹へと民家の間を縫って細い路地が続いて
います。

2,30mの路地を抜けるとすぐに廃屋があり、左(南)に
向って山腹沿いに山道が続いています。
数本しか樹木のないミニ果樹園を抜けて20mほど行くと
すぐ大きな墳丘が見えてきます。

遺跡地図を見て、
「ああ、また藪の樹海へダイブかよ・・・ε=('A` )ハァ…」
と、半ば諦めモードで現地に趣いたのですが、拍子抜け
するほどあっさりと古墳を発見してしまいますた。
県道から100m足らずで何の障害もなく古墳にたどり
着けるので、ビギナーさんもぜひ訪問してください。

左に地図を作成してみますた。
上記の写真は、公会堂脇から山への路地を撮影した
ものです。

墳丘。

尾根に張り出すようにして墳丘が残っています。
帆立貝形の前方後円墳で、後円部径17m、高さ3m、
東方(道路側)に長さ7m、幅7.5mの造り出しが付いて
います。
実際には、造り出し部分は不明瞭で、「何だか形の崩れ
円墳」といった感じです。

後円部。

この古墳、非常に珍しいことに、北東に開口しています。
南側にもスペースはあるのですが・・・

開口部。

高さ50cm弱と激狭状態。
ここまで来たら、もう覚悟を決めるしかないでしょう・・・


ズサ━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━!!

玄室。


(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?


・・・これはビックリ!
腰の砕けるネーミングとは裏腹に、非常にキッチリした
精緻な石室です!
幅1.8m、高さ1.6m、玄室長3.65m。
小ぶりな石材をパズルのように組み合わせた、
芸術的ともいえる仕上がりです。
こんな状態のいい石室が埋もれていたとは・・・


(*´д`*)パッション!!

石棺の石材?

よく分からないが、小さな石材が集められています。

玄室から開口部。

両袖式。
羨道部分は長さ3.4mあり、石室全長は7mあります。

独立して築造されている古墳ですが、ただの豪族の
墳墓とは思えない品格を感じる古墳ですた・・・


ヽ(´ー`ヽ)ヽ(´ー`)ノマターリ

前方部横に祀られている石塔。

この古墳を見学していると、下の民家のおじいさんが
やってきて、この古墳の解説をしてくださいますた。


アリガト!(´▽`)


・・・しかし、何故か話は古墳じゃなくて、赤磐市に
あるという熊山遺跡の話に・・・
この日訪ねた別の古墳でも、オッサン一押しは古墳じゃ
なくて熊山遺跡ですた・・・

どうやら、赤磐市民にとって遺跡とは熊山遺跡を
指すらしい。

今日の豆知識
赤磐市民に熊山遺跡の話を
すると喜ぶ。

・・・これ、試験に出るぞ!!

 ヽ(゚д゚)ノ ええじゃないか

     とんぎり山古墳    総合評価            
   ビギナーお薦め度  ビギナーさんでも簡単に見学可能。
   マニアお薦め度  非常に状態のいい石室。 見学必須です。
  交通アクセス状況    公会堂横に駐車場スペース有り。 下車後徒歩約1分。
  観賞のポイント  北向きに開口した珍しい石室。 内部の石組みも見事です。
  その他の注意点     ライト必須。 冬季推奨。 夏季はマムシ・ハチに注意。



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